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【とある兎とヒトガタ】【駄文】
とある出会い。
とある建物の前に、トレンチコートにハットの兎が物憂げに立っている。

「 俺は思うんだが、これは。 ――― そろそろ廃墟というんじゃないか? うん。 」

彼の名前は、ダンディウサギ。 諸国を跳ね回るウサギだ。 
――タビットとも、云う。 いや、正確にはそっちが正しい。

彼のふかふかとした手が、玄関の扉に触れると ギィ―― と、 開いた。
人が生活しなくなった家屋は、痛みが早い。 まず、空気が違う。

「 最後に奴から手紙が来たのは何時だったか。 半年ぐらい前だったか? どうだ ウン。 」

ダンディ冒険者なんぞをしていると、友人知人恋人敵仇 案外あっさり死んで行く。
この廃墟を見て、思いつくのは、哀しい予想ではあるが、このウサギはそれなりに慣れていた。
だが幸いなのは、この廃墟の主(もと主と云うべきか。)アンバーは、ここ数年は実に充実していたらしい。
不幸な事故で、魔動機教会を引退した彼だが――。

「 ルーンフォークを拾っただとか、良い子だとか、その子と空を飛ぶだとか。
  やれやれ、何時までたっても、ロマンチストな奴だった。  ―― 過去形じゃなければいいが。 」

ウサギはハットを目深にした。 まさしくダンディウサギだ。
彼の好きだった干コリアニンジンの束を、ぶらぶらさせて中に入る。
彼はウサギと好みの合う、中々見所のある人間族だった。

「 まったく。 俺一人じゃ食い切れんぞ。 ( 食いきれるけど。 ) 」

ウサギは中に入っていく。 家のそこかしこに埃が積もっている。
けれど、不思議と散らかってはいない。
まるで、そう。 徹底的に掃除した後、放置した印象を受ける。

「 …。 死に支度をする性質じゃないはずだな、我が友。
  御前は死ぬ間際でも、次の新人参を思う愛すべき男だったはず。 」

「 といって、友人親類が遺品を整理していったようにも、思えんウサー。 」

うっかり語尾が実にアレになる程に、ウサギも違和感を感じていた。
だが一階を探索するも、何も無し、いいや干ヤポンニンジンが在ったが、ウサギが食った。

だが 階段から、 直接繋がっている二階の部屋に入った瞬間。

「 ――――!  」 

ガッ!と 兎の頭に 銃口が押し付けられる。
 ガキン!と 兎の二丁拳銃も 相手の体に。

             ガキン?

「 中々手荒いじゃないか、お人形。 」

『 ――――  ノン。 』 

質問に対する答えは返ってこない。
そも、質問をしたウサギがちょっと おかしいのかもしれない。
銃口を向け合い、膠着状態 ――相手は、ルーンフォーク。
三百年前に滅びた魔動機文明の遺産、生体と魔法機械の融合体。 

「 何がノンなんだ。 合理性のお人形らしくないな――。 」

ぱさ、と ウサギのハットが落ちた。 ウサギの口元が ウヨ、と くわ、と なった。
毎日きれいに手入れしているから、床とかに落ちると、その、なんだ、厭らしい。

『 ノン。 セツナ。 』

「 …。 刹那? 何が一瞬なんだい、お人形。 」

『 ノン。 セツナ。 』

「 ――――。 」

元々表情の皆無の、人形だ。 だが、奴らでも殺気はある。
明らかに この人形は、ウサギに、殺気を向けている―― というよりは、怒っているらしい。

「 ( 名前、か? ) 」

「 よし、解った。 お前さんは人形じゃなく、セツナなんだな。 解った。 」

『 イェス。 』

「 銃を下ろしてくれんかな。 」 

『 なぜ。 』

      「 俺のハットを取りたいからだウサ! 」

ウサギは怒った。

『 ――――。 』

ぽす。 小柄な少女の形をしたセツナは、 ハットを ウサギに被せてやった。
いつの間にか、互いに銃は下していた。

「 とりあえず、話せ。 」

要領の得ない返答を、統合していくと。
彼は死んでいるという事。
セツナは手紙にあった人形という事だ。

そして――。

「 お前さんの背中を直す途中で、逝っちまったのかね。 」

ウサギは、サングラスの下から、つぶらな鷹のような眼差しを、
セツナの背中の【機構】に向けるのだった。

それは、通常のルーンフォークと大きく違う部分と言える。
【翼】なのだ。 機械仕掛けの翼だ、 当然―― 飛べやしない。

『 飛ばしてくれる言いました。 一緒に飛ぶ言いました。 でも。 死にました。 』

「 ふぅむ。 」

『 死んだは、 動かない。 直してくれない。 だから、 このまま。 』

彼女は 元の位置に戻った。 書斎の机椅子の 少し離れた壁際に そっと佇む。
まるで 今でも、その机椅子に主人が居て。 用命を待つかのように。

「 別に、お前さんの生き方だ。 好きにすればいい。
   普通なら、俺の友はそんな事望まないとか、云うべきなのかもしれんがな。 
     干しコリアニンジンに賭けてもいいが  」

「 死者は何も言いやしない。 何も望まない。 何も思わない。 」

「 だから。 空を飛びたいっていう ユメが。 
   死んだアイツだけの気持ちだったんなら。
     お前さんは、ここで好きにやっていけばいいんだ。 」

葉巻を咥えるウサギ。  ダンディー。 マッチが点けにくい。 


『 …。 』

彼女の眉が くん、   と 上がった。


「 空は。           アイツだけの気持ちだったのかい? 」


                       『 ノン 』

ウサギは ハットを目深にした。 紫煙が目に沁みたみたいだ。
葉巻はケチっちゃいけない、染みてしかたないなと、独白した。
         友よ、良かったなと呟いた。

ウサギの目が赤いのは 生まれつきなんだ。 
決して泣いたわけじゃない。


「 なら。 ――― 俺と冒険者をやろうじゃないか。  セツナ。 」

ウサギは声を上げた。 ヒトガタは頷いた。

『 イェス。 』   『 でも その前。 ヒトツだけ。 』

声はキレイキレイでツクリモノ。

「 何だ。 」


               『 煙草。 よくない。 』


この日から 兎は 禁煙を強いられた。 
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【2008/04/25 23:38 】 | 【SW2.0】 | コメント(5) | トラックバック(0) |
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コメント

ダンディズムウサー。

ソードワールド2.0関連ですねー。
僕もいろいろやってみたい所存。。

あ、いや、イロモノやりたいとかそういうわけじゃないデスヨ……?
【2008/04/30 13:00】| URL | ひさめ #mQop/nM.[ 編集] |

たびっとたびっと いいなぁ

やりたいけど皆はじめちゃってるとかいう罠にはまってマス
【2008/05/08 10:07】| URL | 夢見 #SkpZqjko[ 編集] |
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【2008/12/26 03:15】| | #[ 編集] |
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【2008/12/26 23:21】| | #[ 編集] |
Re: 久々

凄い返信遅れてモウシワケナイ、、!(笑。)
凄い勢いでブログを放置しておりました!

そんな寂しい事言わずに! 
また今度遊びにいきますじょー!

メッセンジャーは、あんまり増やさない方針なので
モウシワケナイ、、!(ぺこぺこ)
【2009/02/10 07:13】| URL | ユメ #-[ 編集] |
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