スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:-- 】 | スポンサー広告 |
幼少の頃。
私は手を抑える。 紅く腫れた線の走る手。
机の上から散らされた上質紙の束、 転がるインク壷。
床に広がっていく 黒い沁みを、どこか他人事のように眺めていた。

耳元にわんわんと響くのは、尖り顎の家庭教師の声だ。
彼女の中では、紙束が崩れたのも、壷が倒れたのも、全部私のせい。

『 まったく。 これで由緒ある大家の娘だというのだから。
  姉君や兄君に、才能を全て取られたのではなくて?  』

父が大金を積んで招いた先生様は、また何かを言うらしい。
私は泣きもしない、笑いもしない、苦しそうにもしない。

全て面倒で、全て空虚、ドウデモイイ。
算数が出来ないのも、父上を失望させるのも、ドウデモイイ。

その日も、怒る教師の声が、余りにも面倒で。
窓から部屋を出て行く。
スカァトが引っかかって、少し破れた。

―― 母上が、悲しむかな。    どこかで思って。
屋敷の庭へと駆けていく。

何もかもドウデモイイ はずだった。
read more ≫
スポンサーサイト
【2005/10/13 21:34 】 | キャラ紹介【ユン】 | コメント(2) | トラックバック(0) |
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。